第4回:Microsoft、復活する巨大企業とブロックチェーン~扱い方を見つけつつあるクラウドベンダー

第4回:Microsoft、復活する巨大企業とブロックチェーン~扱い方を見つけつつあるクラウドベンダー

本連載では、複数回のシリーズ企画として「Microsoft、復活する巨大企業とブロックチェーン」と題して、マイクロソフト(Microsoft)のブロックチェーン関連の取り組みについてオーバービューと考察を行っていきます。

今回は、巨大IT企業のなかでもGoogleやFacebookと違い、クラウドベンダーとしてブロックチェーンの扱い方をみつけつつある点について解説します。

巨大IT企業に対するアンチテーゼのように語られるブロックチェーン

分散性があるブロックチェーンや、それを用いたIDサービス、非中央集権的なアプリケーションは、巨大IT企業の寡占を覆す処方箋であり、中央集権の代名詞であるような巨大IT企業に対して、ブロックチェーンはアンチテーゼのように語られることも多くあります。

FacebookとGoogleの広告売り上げは、全米のインターネット広告市場の60%を寡占しています。また、Facebookに関しては、FacebookのAPIと広告ターゲティングを巧妙に利用をして、アメリカをはじめとした複数国の選挙戦に介入をしたケンブリッジ・アナリティカ事件は、引き続き話題になっています。

EUでは、巨大IT企業への規制の側面が強い一般データ保護規則(GDPR)が2018年5月より施行され話題になりました。GDPRを長らく推し進めていたのはドイツ社会民主党のトップであったマルティン・シュルツ氏(Martin Schulz)であり、彼はGoogleとFacebookを名指しで批判し、これらの企業が存在をしなかった1995年にインターネットを戻すべきであると公言しました。

GDPRは、これまでグローバル化を推し進めているように思えた民主主義国家の集合体であるEUが行うデータローカリゼーション規制として注目を集めましたが、GDPRの事例を踏まえ、同様の規制はその他の国でも検討されています。

また、アメリカや欧州では、こういった巨大IT企業の問題点を指摘するニュースがほぼ毎日流れいます。また、アメリカでは2018年にそれらに関連する書籍も複数発刊され、ベストセラーになっています。

その間にも、Facebookは2018年10月に、3,000万人分のユーザーデータを流出。Googleに関しては、春先に50万のデータ流出をしており、それを公表していなかったとウォール・ストリート・ジャーナルが報じ、その後Googleはこれを認めました。

以上のようなニュースが毎日流れ、多くの人はそれを認識しているにも関わらず、GoogleやFacebookを使い続けるということは、行動とその認識や主張に矛盾があります。

ITイメージ画像

クラウドベンダーはブロックチェーンの扱い方を見つけつつある

このように、ブロックチェーンがそれらの処方箋になるという観測もありますが、ブロックチェーン業界の著名なプレーヤーが参加するパネルディスカッションでも、「人工知能(機械学習)とブロックチェーンは対立するのか、それとも交わって収斂をしていくものなのか?」という質問は時折ありますが、はっきりいって論理的な回答を示しているものはありません。

つまり、恐らくいずれものプレーヤーもはっきりしていない状況で、巨大IT企業とブロックチェーンの関連性の未来予測は定かであはりません。

しかし、ソーシャルネットワークサービスと検索を使いユーザーのデータを獲得し広告でマネタイズをしてきた会社のブロックチェーンへの取り組みは見えないですが、これまで紹介してきたようにMicrosoftの動きは活発であり、Azureを使用しブロックチェーンの可用性を高めようと取り組んでいます。

イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であり、コンセンシス(Concensys)の創業者であるジョセフ・ルービン氏(Joseph Lubin)は、ドイツの報道機関t3nのインタビューで、FacebookやGoogleがブロックチェーンの文脈において、どのような存在になり得るか?という質問に対して、それらの企業よりはるかにブロックチェーン領域で重要性が高い企業は、「MicrosoftとIBM、アクセンチュア(Accenture)、デロイト(Deloitte)」であると述べています。

クラウドベンダーはブロックチェーンの扱い方を見つけつつあると言ってよいでしょう。
例えば、MicrosoftはAzure上にイーサリアムと同等の機能を持つEthereum PoAチェーンを作ることができます。ただし通常のパブリックブロックチェーンで用いられるPoWではなく、プルーフ・オブ・オーソリティ(PoA)を採用しています。

さらにPoAにするだけではなく、ノードにそれぞれIDを振り分け、各ノードの行動をモニタリングできたりなど、ソリディティ(Solidity)を理解しなくてもコントラクトを扱えるように、C、C++、Rustといったプログラミング言語を追加するなど、エンタープライズに提供をするようにカスタマイズがされています。

そして、これらを実際にビジネスにどのように扱っていくか導入支援までが恐らく彼らの動きになるのではないかと思われます。

もう一つの主要クラウドベンダーであるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、イーサリアムとHyperledger Fabricがフルマネージするサービスを発表しています。

クラウドベンダーが、ブロックチェーンに関してどのような動きをしていくかは、今後も注目され、Microsoftはその分野で先行しているプレーヤーと言って良いでしょう。

連載「Microsoft、復活する巨大企業とブロックチェーン」
第1回~新たなミッションを掲げ再起を図る
第2回~エンタープライズ向けのサービスとは?
第3回~2014-18年にかけての取り組み
★第4回~扱い方を見つけつつあるクラウドベンダー

参考
t3n


Microsoft社は2018年12月18日(火)に、HashHubとNeutrinoとの共催でブロックチェーンビジネスサミットを開催します。ブロックチェーンの社会実装にフォーカスしたパネル、エンジニア向けハンズオン、懇親会など内容を予定しています。イベントの申し込みはこちらから。

Source: 仮想通貨ビットコイン

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