「速い・安い・分散」を主張するブロックチェーンプロジェクトに要注意、分散性の複雑さについて

「速い・安い・分散」を主張するブロックチェーンプロジェクトに要注意、分散性の複雑さについて

現在、最も主要なブロックチェーンは、Bitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、加えてこれに次ぐ存在になりつつあるものとしてEOS(イオス)が挙げられます。そして、これに追随しようとする多くのブロックチェーンプロジェクトが控えています。

それらの新しいブロックチェーンプロジェクトのほとんどが、プロモーションの為に10の内8~9主張することは、「このブロックチェーンはEthereum(イーサリアム)より速く、安く使える」という主張です(そのうえ分散性もあるということを付け加えて主張する場合もある)。

「早い・安い・分散」を主張するプロジェクトには注意が必要

イーサリアムファウンダーのVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏は、「速くて安いと主張するプロジェクトは、集権化したゴミのようなものと自己主張していることと同義だ」とコメントしています。

“When a blockchain project claims ‘We can do 3,500 TPS because we have a different algorithm,’ what we really mean is ‘We are a centralized pile of trash because we only have 7 nodes running the entire thing.”

参照:https://www.ccn.com/watch-ethereum-creator-crypto-eos-tron-piles-trash

こういった台詞を主張して、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)を行ったりしているブロックチェーンプロジェクトを初心者が見つけたら、まず立ち止まって考えたほうが良いでしょう。

現状、Bitcoin(ビットコイン)は秒間7取引、Etheruem(イーサリアム)は秒間15取引しか処理できません。もちろん多くのトランザクションを処理できたほうが良いことは間違いないでしょう。

しかし、ブロックチェーンはP2P(ピアツーピア)ネットワークであり、分散したノードが正しいデータが「何か」を認識するために存在をするものが、合意形成アルゴリズムです。合意形成アルゴリズムは速さのためにあるものではなく、ネットワークをセキュアなものにするために存在することは明白です。合意形成アルゴリズムを変更して、速さや安さを追求することはなにかしらのトレードオフによって成り立ちます。

Bitcoin(ビットコイン)の場合は、より多くのノードがネットワークを検証をするためにブロックサイズを小さくして(1MB)、2重支払いの可能性をなるべく下げるためにブロックタイムも10分間確保しています。結果、多くの人に認識されているように、トランザクション性能はあまり優れていなく、ネットワークが混み合った時に手数料は高騰しますが、そのおかげで今のところネットワークに致命的な欠陥や悪意ある二重支払いは実現していません。

ブロックチェーンの分散性の複雑さを考える

そして、Bitcoin(ビットコイン)は最も多くのフルノードが存在するブロックチェーンで、世界中に分散したノードが約1万ほど存在します。なぜ、1万ものノードがネットワークの検証をしているのでしょうか?それは、ブロックサイズが小さく、データが極限までコンパクトで個人でも高い運用コストをかけることがなくフルノードを管理できるからです。

一方で、いくつかのブロックチェーンは「速い・安い」と主張をしながら、ノードは世界中に7つしかないという場合もあります。オンチェーンでも多くのデータを処理するブロックチェーンは、フルノードの運用コストが高くなり(トランザクション数や運用環境次第で月数百万円ほどかかることもある)、自然にノードの数は少なくなります。

仮に7つしかノードがないネットワークがあるとして、DApps(分散型アプリケーション)を作れるブロックチェーンで、Bitcoin(ビットコイン)より優れているなどと主張をする場合も往々にあります。

しかし、このような背景がありながらも、場合によってはEOSのような21しかノードがないネットワークも、見方によってある程度は分散しているとも評価することもあります。

関連:EOS(イオス)は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(Ethereum)より集権的という評価は妥当か?

つまり、本コラムで伝えたかったことは、ネットワークが「速い・安い・分散している or していない」という評価は非常に多くの要素が含まれ、評価が難しいということです。

もし、このコラムを読んでいる人がブロックチェーンに興味を持ち始めた初心者で、「速い・安い」を主張するブロックチェーンに出会ったとしたら、“それはなにをトレードオフにして実現をしているのか?” と考えるきっかけにしてもらえればと思います。

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Source: 仮想通貨ビットコイン

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