一般の個人投資家がセキュリティトークンを購入できるかどうかの現状

一般の個人投資家がセキュリティトークンを購入できるかどうかの現状

BlockstackがSECに監督されたICOを行うため書類を提出

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)およびセキュリティトークンの文脈で非常に注目度の高いニュースが出ています。ブロックチェーンプロジェクトのブロックスタック(Blockstack)が、RegulationA+に基づき、米証券取引委員会(SEC)に監督された初めてのトークンセールを実施するための申請を行いました。

今回の新しい資金調達ラウンドでは、5,000万ドル(約56億円)を目指しています。Blockstackは、分散化された新しいインターネットを作るとも言われ、プライバシーフォーカスのアプリケーション開発のプラットフォームです。BlockStackはすでにメインネットもローンチもしているプロジェクトであり、約80のアプリケーションが存在します。またBlockstackにとって今回のトークンセールは初めてではありません。

関連:新しい分散的なインターネットを作るBlockstackとは?

Blockstackの投資家には、ユニオン・スクエア・ベンチャーズ(Union Square Ventures)やYコンビネーター(Y Combinator)、ラックス・キャピタル(Lux Capital)、ネイバル・ラヴィカント(Naval Ravikant)といった面々が並び、2017年に5,200万ドル(約58億円)の資金調達を実施しました。

また、同プロジェクトは、アメリカを拠点にするブロックチェーンプロジェクトの資金調達プラットフォームであるコインリスト(CoinList)を通して、資金調達を実施しています。このときアメリカ国外の投資家は一般投資家でも参加ができましたが、アメリカ国内では的確機関投資家のみが参加できるという形でトークンセールが行なわれました。今回のSECへの申請が通れば、アメリカの個人投資家も購入できるトークンセールになります。(参照

一般の個人投資家がセキュリティトークンを購入できるかどうか

まず、RegulationAとは、通常のSEC登録の費用を負担することができない中小企業にとって資本にアクセスし、一般投資家がオファーに参加することを可能にすることを意図した規制です。2015年3月に従来のRegulationAに改訂を加えた新しい規制のRegulationA+は、株式投資型のクラウドファウンディングを認可するための枠組みとして一般的です。

簡略化されているとはいえ、一定の報告義務などが必要である代わりに適格機関投資家以外の公募の販売が行えます。これまでセキュリティトークンは、RegulationDという規定を用いて、機関投資家のみにトークンが販売されていました。

Reguletion A+は、発行にForm1-Aと呼ばれる申請書類と簡易目論見書をSECに提出してレビューを受ける必要があり、そのためのコンプライアンスコストと時間が必要で、今までセキュリティトークンおよびブロックチェーンプロジェクトのユティリティトークンのどちらのケースでも使用される形式ではありませんでした。

とはいえ、このForm1-Aと簡易目論見書のレビューには、おおよそ1年程度はかかるだろうと予測されており、Blockstackのトークンセールがすぐに始まることは難しいでしょう。
そういった意味ではReguletion A+に基づいたトークンの販売は、遅かれ早かれ議論と実行がされるべきテーマでした。

SECも慎重な姿勢

また、同じく実際のセールの実施には至っていない例として、株式型クラウドファウンディングプラットフォームのスタートエンジン(StartEngine)が、トークンオファリングを視野に入れたRegulation Aの認可を得ようと申請しました。(プラットフォーム企業自体がセキュリティトークンを発行する)

このSECへの申請は、結局許可されたものの、当初申請していた書類に記述されたトークンやスマートコントラクトの記述は削除されたとされています。(参照

この点で、一般投資家への公募のセキュリティトークンの販売は、SECも非常に慎重になっていると察することができます。また、ICOの文脈でも、「SECはICOを行うのであればSECに相談するように」と言いながらも、Reguletion A+のフレームワークを用いたICOプロジェクトの申請は、これまで行なわれてきませんでした。

現在のSTOマーケットの状況はこちらのレポートに詳しいです。

本コラムでは、一般の個人投資家がセキュリティトークンを購入できるかどうかの2019年4月現在の状況、および監督をされた公募ICOの現状について触れました。今後、Blockstackの申請がどのように扱われるかは注視するべきです。

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参考
Blockstack
DILENDORE KHURDAYAN


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Source: 仮想通貨ビットコイン

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