仮想通貨の税金はどうなる?米IRSが納税ガイダンスを更新

仮想通貨の税金はどうなる?米IRSが納税ガイダンスを更新

新たな納税ガイダンス

10月9日に米国の内国歳入庁(IRS)は、仮想通貨保有者の納税申告にまつわる新しいガイダンス(Revenue Ruling2019-24)とその内容を表したQ&A形式の資料を同時に発表した。

仮想通貨が普及して以来、IRSは仮想通貨を「通貨」としては扱わず、個人の所有物として扱う事と定めていたこともあり、仮想通貨投資で得た収益を確定申告に記載せずに税務処理をする人々が多く存在することが問題となっていた。そういった人々への警告として、IRSは厳重な注意をこれまで何度も呼びかけていたが、先日ようやく、その申告方法が明らかになったのだ。

こういった背景のもと、約5年ぶりとなる税制に関するルールが更新され、主に仮想通貨から他の資産に変更する際の利益と損失の計算プロセスなどの項目が変更されている。主な変更点は下記の4点となる。

  • ハードフォークで発生する通貨の受け取りが課税対象となる
  • 自分が利用している取引所とウォレット間でのやり取りは課税対象から外される
  • 仮想通貨の取得原価は購入時の手数料も含めた全体の金額が適応される
  • 仮想通貨の売却時には、保有期間の長さが一年以上であれば税率が軽減される。

ハードフォークで付与される通貨も課税対象に?

今回のガイドラインの更新で特に注目されている点はハードフォークで付与される通貨の課税内容についてだろう。日本における扱いは、取得時は課税対象とはならないが、売却時点で初めて所得として認識される流れになっている。これまで米国では仮想通貨のハードフォークで発生する新通貨に関して、詳細は明記されておらず、非常に曖昧な表現であることが問題とされてきた。

新しく更新された内容によると、ハードフォークによって通貨を受け取った段階で、課税対象となる所得が発生し、納税義務が生まれる流れになる。また、エアドロップによって気付かない内に仮想通貨を受け取った場合でも、それは所得として納税対象となるのだ。これには、多くのホルダーや関係者から批判の声が挙がっている。

納税義務追加に関する問題

法律事務所ステプトー&ジョンソン(Steptoe & Johnson)のパートナーであるリサ・ザレンガ(Lisa Zarlenga)氏は、IRSの課税措置に対して、「まだ公表されてはいないが、新たな納税義務が適用されれば、いくつかの取引方法において税金を支払わないと罰金を科せられる可能性がある」と発言している。

また、今回のガイドライン更新に対して多くの機関から批判や疑問の声が上がったことに対して、IRSのチャック・レティッグ(Chuck Rettig)委員は「納税者が報告要件を理解するのをサポートし、規則に従わない人々には、税法を公正に執行するための措置を講じたいと考えている」と述べた。

税務規制の取り締まりを強化するため、IRSは2019年初めに、約10,000人以上の仮想通貨保有者へ警告書を送っている。数多くの批判に対して、対応を変更するかは疑問であるが、規制の引き締め過ぎによる市場の圧迫も避けたいところである。

サンフランシスコ州税務弁護士であるジェームズ・クリーチ(James Creech)氏は、「コンプライアンスを遵守することを奨励します」と述べており、今後は「仮想通貨に関する本物のプロジェクトが大量に出てくる」と発言していることからも、この規制によって、より精度の高いトークンプロジェクトが生まれ、市場を賑わせてくれることを期待したい。

参照
Cryptocurrency Investors Get New IRS Income-Reporting Rules
IRS Issues New Guidance On The Tax Treatment Of Cryptocurrency
Frequently Asked Questions on Virtual Currency Transactions

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Source: 仮想通貨ビットコイン

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